猫の尿石

11月12日に尿道閉塞で体温低下(32度以下)、意識不明で連れてこられた5歳のオス猫よりカテーテルでとった尿です。
ストルバイト結晶が見られます。
この猫は以前にも尿が出にくくなりカテーテルで通したことがあります。
黄疸もでており、なかなか体温も上がらず、横になったままの状態が数時間続いたのですが、夜中になんとか意識が戻った様子で体温も37度になり、回復を確信しました。
14日に退院後、通院してもらい現在ではカテーテルもとれなんとか生活しているようです。
また閉塞するようならオチンチンの先を切って広げる手術をした方がいいようです。
今まで何回も閉塞する猫にはこの手術をしているのですが、食欲旺盛で大きく太っている猫がほとんどでした。
今回の猫はそんなに大きくもなく太ってもいないのですが・・・
若いオス猫に多い病気ですが、対策としては、
・フードを子猫の時から厳選する(ある程度お金をかける)
・水をよく飲めるようにする(複数の水のみ場、ウェットフードの併用)
・フードを置きっぱなしにしない(お腹のすいている時をつくる)=太らせない
くらいでしょうか。
飼育の道
「言われたことはその人のものだから、いらんかったら返しはったらよろし」
今日、電話で安楽死の依頼があり断ったときに、それを聞いていた顧客のひとりが上のようなことをおっしゃいました。
うちの病院は安楽死はしません。
動物との出会いがどんなであっても、動物も飼い主も死までの数日、数週間、数ヶ月、苦しんだり悩んだりするのですが、その期間を過ごすことが飼うと決めた時の約束事であると思うのです。
飼うことは楽しいことばかりではないけれど、飼い主がしみじみ言うことばで好きなのが、「楽しませてくれた」です。
今日、電話で安楽死の依頼があり断ったときに、それを聞いていた顧客のひとりが上のようなことをおっしゃいました。
うちの病院は安楽死はしません。
動物との出会いがどんなであっても、動物も飼い主も死までの数日、数週間、数ヶ月、苦しんだり悩んだりするのですが、その期間を過ごすことが飼うと決めた時の約束事であると思うのです。
飼うことは楽しいことばかりではないけれど、飼い主がしみじみ言うことばで好きなのが、「楽しませてくれた」です。
水分要求量
犬猫の主食はドライフードというのがほとんどのようで、多くの犬猫が水分不足の状態であることが血液検査でわかります。
日本ヒルズ・コルゲート株式会社によると:
犬猫の水分要求量 = 食物や飲み物からの摂取 + 生体内で生成される代謝水
犬猫の一日あたりの水分要求量(ml/day)は、一日あたりのエネルギー要求量(kcal/day)とほぼ同じ値となります。
犬:{30x体重(kg)+70}x1.6
猫:{30x体重(kg)+70}x1.2
☆上で計算した数値に0.9掛けた数値が一日の食べ物や飲み物から摂取すべき水分量となります。
5kgの犬なら、(30x5+70)x1.6x0.9≒317ml
若いのに血液検査の肝臓の数値が高い場合、まず水分をもっと取れるようにしたら数値は下がり、必ずしも肝臓対策フードを与えなくてもよくなるかもしれません。
日本ヒルズ・コルゲート株式会社によると:
犬猫の水分要求量 = 食物や飲み物からの摂取 + 生体内で生成される代謝水
犬猫の一日あたりの水分要求量(ml/day)は、一日あたりのエネルギー要求量(kcal/day)とほぼ同じ値となります。
犬:{30x体重(kg)+70}x1.6
猫:{30x体重(kg)+70}x1.2
☆上で計算した数値に0.9掛けた数値が一日の食べ物や飲み物から摂取すべき水分量となります。
5kgの犬なら、(30x5+70)x1.6x0.9≒317ml
若いのに血液検査の肝臓の数値が高い場合、まず水分をもっと取れるようにしたら数値は下がり、必ずしも肝臓対策フードを与えなくてもよくなるかもしれません。
猫の手作り食2
猫の手作り食

たまちゃんの食べ残しの横で物思いにふけるまゆこ
今日は高齢猫のクロリーとちろりろのために一食適当に作ってみました。
2匹とも最近とろとろペースト状の方が食べやすそうなので、材料を煮た後ミキサーでペースト状にしました。
材料は豚肉、かぼちゃ、人参、雑穀米少々、太白ゴマ油少々、水
指導書(みたいなもの)には豚レバー、シソ油、大根、スプラウトを加えるように書いてありましたが、ないので省きました。シソ油はどこにでも売ってないみたいですが、シソ科のエゴマ油でもいいのかなと思います。韓国焼肉で肉といっしょに食べる大葉に似たのがエゴマです。
[11月10日追記:シソ油といえばエゴマ油のことみたいです。]
クロリーとたまちゃんは食べましたが、ちろりろとまゆこは「別に」という感じ。
犬は手作りすると結構食べてくれるのですが、猫はむずかしい。
また、他の材料でもやってみよう。
猫伝染性腹膜炎-FIP(Feline Infectious Peritonitis)
猫伝染性腹膜炎は英語名の略でエフアイピーと病院では呼ぶことが多いです。
ウエットタイプとドライタイプに分かれ、前記事の猫は腹水がたまっていることからウエットタイプであろうと思われます。
今までうちの病院でFIPが疑われた猫はすべて「若い猫(3歳くらいまで特に1歳未満)」で、ほとんどが亡くなりました。
ウエットタイプには胸水がたまるタイプと腹水がたまるタイプとにわかれ、いずれも食欲不振、元気消失、発熱、脱水症状があり、後者は黄疸や下痢がみられました。
「ほとんど亡くなりました」と書きましたが、胸水タイプの1例は今も健在です。呼吸困難であったため水を抜き、ステロイドの投与で何とか乗り切ったようです。FIPであったかどうかは断言できかねますが。
発病させないためにどうすればいいかというと、ストレスをかけないことでしょうか。
どの猫でもそうですが、転居(場所をかわること)は猫にとって最大の敵で、大きくいうと環境を変えないことが大事ではないでしょうか。新しい猫を加えるということも賭けであるといえます。
別に転居もしてないし、新猫も加わってないのに、発症するというケースもあります。
若いということで、体の中の変化が何か関係しているのかもしれません。
ウエットタイプとドライタイプに分かれ、前記事の猫は腹水がたまっていることからウエットタイプであろうと思われます。
今までうちの病院でFIPが疑われた猫はすべて「若い猫(3歳くらいまで特に1歳未満)」で、ほとんどが亡くなりました。
ウエットタイプには胸水がたまるタイプと腹水がたまるタイプとにわかれ、いずれも食欲不振、元気消失、発熱、脱水症状があり、後者は黄疸や下痢がみられました。
「ほとんど亡くなりました」と書きましたが、胸水タイプの1例は今も健在です。呼吸困難であったため水を抜き、ステロイドの投与で何とか乗り切ったようです。FIPであったかどうかは断言できかねますが。
発病させないためにどうすればいいかというと、ストレスをかけないことでしょうか。
どの猫でもそうですが、転居(場所をかわること)は猫にとって最大の敵で、大きくいうと環境を変えないことが大事ではないでしょうか。新しい猫を加えるということも賭けであるといえます。
別に転居もしてないし、新猫も加わってないのに、発症するというケースもあります。
若いということで、体の中の変化が何か関係しているのかもしれません。
2009年夏にいた子猫のその後
腫瘍対策
人間の医療は動物実験で得られたデータの上に成り立っていますが、獣医療は人医療で試された結果動物に採用するかどうか決めるところがあるので、人間実験をおこなっているともいえます。きっちりしたデータがなくても「効いた」という情報があれば試してみたらいいと思います。少なくともうちの病院では人間に良かったものは検討して動物に使おうと思っています。
ビオトーワは人医療(ガン対策)に使われており、うちの病院では2011年から採用しています。
前記事のシーズーも発病が2011年だったら外科療法なしで、ビオトーワの内服だけでいけたかもしれません。
「血管周皮腫」であったことはわからなかったでしょうが。
「できもの」ができて手術を勧められているけれども、手術はとりあえずは避けたいと思っている飼い主の方は試されてもいいかと思います。
ビオトーワは人医療(ガン対策)に使われており、うちの病院では2011年から採用しています。
前記事のシーズーも発病が2011年だったら外科療法なしで、ビオトーワの内服だけでいけたかもしれません。
「血管周皮腫」であったことはわからなかったでしょうが。
「できもの」ができて手術を勧められているけれども、手術はとりあえずは避けたいと思っている飼い主の方は試されてもいいかと思います。
血管周皮腫

血管周皮腫のシーズー犬の症例
2009年9月28日摘出手術。
左前脚に4cm大の「できもの」。歩行にも少し影響がでていました。
摘出手術後病理検査の結果は「血管周皮腫」。再発を繰り返すことが多いことから、「断脚(切断)」されることがあります。
①の写真(2010年12月4日)
再発し再び4cmの大きさになりました。
②「ネオCキューブ」による温熱療法を実施。
この療法は全身麻酔下で実施し、ガン組織だけ死滅させる治療です。
2010年12月4日と2011年1月7日に実施。ほとんどガン組織は死滅したかのようでしたが、2011年8月今度は下側に同じくらいの大きさ(4cm)に。
③外科療法はあきらめ、2011年8月20日より「ビオトーワ」のみの内服療法を実施。
徐々に腫瘍は小さくなり、2012年5月12日直径1cmになりました。
現在も内服治療は続行中です。