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不妊手術の糸

のら猫の不妊手術依頼時に「溶ける糸で」と言ってくる人が過去何度かありました。
「抜糸ができないから」ということなのですが、あまり深く考えずおっしゃってるようです。

メス猫の不妊手術ではまず筋膜と腹膜を縫った上で、外の皮膚を非吸収糸のナイロン糸・細いワイヤーか吸収糸(いわゆる溶ける糸)で縫合します。

ナイロン糸とワイヤーは外に糸がでていてもいいのですが、溶ける糸=吸収糸を使う場合は「埋没縫合」とセットです。吸収糸は外に出てはいけません。

吸収糸で外に糸がでている縫合で手術された飼い犬を見たことがありますが、術後2か月で少し干からびたような糸が数本お腹についていました。なかなか自然にとれないものです。抜糸が必要なのではないかと思いました。この縫合方法ならナイロン糸の方が自然にとれるのではないかと思いました。

飼い犬なら化膿しても病院にいけますが、のら猫の場合リリースしたら最後なので、吸収糸と糸が外にでる縫合方法の組み合わせはやめるべきです。感染の危険性があります。

うちの病院ではナイロン糸を使っています。ワイヤーは使ったことがありません。不妊手術のため捕まった猫にワイヤーがついていて、手術済みということでリリースしたことがありました。ワイヤーはまずとれることがないので一生ついたままです。
吸収糸+埋没縫合の手術もやりましたが、結局ナイロン糸で普通に縫合するのがいいという結論に達しました。
2014-04-09 : 医療 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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