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電話するだけで終わるものではない

獣医師会に入っていると兵庫県の傷病野生鳥獣救護で1年間指定病院となることがあります。
指定病院でない時期でも、野鳥を連れてこられたら治療したり、放鳥するまでの飼い方の助言などをおこなってきました。

保護される鳥は、つばめ、すずめ、はとが多いです。春に多いです。
拾ってわざわざ病院まで連れてくる人は、世話することを前提で連れてこられているので、話がスムーズに進みます。ほぼ自分で拾って責任をもちますという人です。
そういう人でなければ通り過ぎるのでしょう。
傷の状態次第では病院で預かって様子をみることもあります。

指定病院だった平成27年度。
警察署から持ち込まれるケースが3度ありました。
一般市民からの連絡で警察官が保護。それから当院へ。
すぐに兵庫県自然環境科から電話があったのですが、「ちょっと治療してその後山へでも……」と。
かるがも、ふくろう、オオバン。
ふくろうは飢餓状態で動けなかったのか箱に入れて保護主が東灘警察に持ち込んだもよう。

治療はできます。治るまで世話もできます。
でも、野生に帰せない状態、たとえば片翼だけになる、翼が正常でもうまく飛べない、みたいな状態ならどうするのか。
結局その動物は病院の判断で運命が決まることになります。

過去、市民からの問い合わせが何度もあったのでしょう。動けない鳥をどうしたらいいかと。
現在は、市民→警察(県庁で指定病院がどこかきく)→指定病院←兵庫県自然環境科から電話ということになってます。

「治療後見極めのためおいておくリハビリテーション施設もないのに、病院はあとどうすればいいか」と言うと
兵庫県自然環境科の係の人も答えようがなく、たぶん「とりあえず治療して、もてあましたら山に放して(捨てて)いいです。それは病院の自由です」というのが暗黙の了解のようです。

けがをした野生鳥獣を見つけた人は、警察に電話だけして、その場所からその個体は消え、その場を再び訪れた時その存在はないので安心しているのでしょうが、消えることはなく現実には動物病院にある。
指定病院の期間、何とか野生に帰すことができたけれど、本当にひやひやものでした。野生に帰せなければどうするか、いつも頭をよぎりました。

野生鳥獣の場合電話だけという対処法もまぁ仕方ないかもとは思います。
でも、犬猫に関しては、電話で警察署に通報するだけでなく、自分が保護できない場合、
たとえば、
「正式に保護を要請したい。手続きはどうするのか。警察はどうするのか。明日またどうなったか電話する」
くらいのことを伝えてほしい。

その犬猫がどうなったか確認する義務があると思って、通報してほしいと思う。


2017-02-21 : 社会 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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