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FIPとMUTIAN

猫伝染性腹膜炎FIP(feline infectious peritonitis)
コロナウイルスが関係する致死率の高い猫の疾病です。

先月ある人から「FIPの新薬がでたみたいだけど」という質問があり、もしかしたら昨年米国で公表されたGS-441524のことかと思ったのですが、それの中国版MUTIAN(X)のことでした。

昨年GS-441524のことを多少調べたのですが、値段が高すぎるのでブログ記事にすることもなくそのままになってしまいました。

MUTIAN(X)も同じく高価で毎日投薬で84日間。薬代としてFIPのウェットタイプで2キロの猫なら1日大体5,000円くらい、3キロなら7,000円くらいの薬だろうと思います。5,000円x84日=420,000円(追記:体重が増えるので10万円~20万円加算)
他には病院の検査代と必要なら他の薬代。
クラウドファンディングでは治療費100万円としているケースがありますが、何十万円も動物病院の検査や治療にかからないと思うのですが。

試した飼い主のブログを見てみると他のどの治療よりも効果があるように思いました。
インターフェロンなどで出費するよりMUTIAN投薬を選択する方が生存の希望があります。
MUTIANのサイトで相談されるのがいいでしょう。
薬の輸入の到着を待っていたら日数がかかるので、すぐに投薬できる方法を考えて下さい。
薬を扱っている動物病院が近辺では大阪にあるようです。
当院では他の薬を海外より輸入することはありますが、MUTIANはまだしておりません。

治療費をおさえたいと思うなら、最初の確定診断の検査以外はできるだけ避けて薬代にあてることです。
食欲がもどり活発になったらそれが薬が効いている証拠です。
血液検査で多少ひっかかるところがあろうと、若い猫(FIPになる猫はだいたい若い)なので食べていたら時期が来ると検査結果も良くなっていくはずです。

2キロの猫で40万。何十万となると高いは高いですが、犬の飼い主で手術や数年の治療でこれ以上出費している人もいます。
それと保護活動をしている人も合計するとこれくらいは出費しているのではないかと思います。

手術するわけではない。薬で若い猫が元の活発な猫にもどるなら何十万だしても高くはないのでは。
他の選択肢がほぼないので。

猫は誰かが飼ってもその人のものでもないように思います。たまたまその人が同居人になっただけで、その人の経済状態で生死が左右されないようにと思います。
クラウドファンディングではいろいろ自分の状況を語らねばなりませんが、「この猫を助けるためなら」という飼い主の必死さが感じられれば援助してくれる人はあると思います。
2020-04-22 : 医療 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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